Friday, March 03, 2017 5:24 PM

月内利上げを強く示唆 イエレンFRB議長

 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は3日、イリノイ州シカゴで講演し、「今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で(政策金利の)フェデラルファンド(FF)レートのさらなる調整が妥当になるのかどうか判断する」とした上で、雇用と物価が想定通りに推移すれば「一段の金利調整が適切になる」と述べて、追加利上げに踏み切る可能性を強く示唆した。経済の情勢から判断して、

 高齢化の進展などで生産性の向上が進まず、長期的な自然利子率が低い状態でとどまる見通しであることから、追加利上げは2019年までかけて「緩やかなペースで実施するのが妥当だと判断している」としたが、今後の緩和解除のペースは「ここ数年ほどゆっくりではないだろう」とも述べた。生産性向上には財政政策や規制緩和が重要だとの考えを改めて示した。

 FRBの政策目標のひとつである最大雇用は「基本的に達成した」と評価。もう一つの物価についても上昇率2%の目標に「近づいている」とした。「短期的な見通しはほぼ安定的だ」との認識を示し、金融緩和の解除を待ちすぎれば「急激な利上げが必要になり、金融市場の混乱や景気後退を招く」とした。一方で、政策運営が後手に回っているとの「根拠は見当たらない」とも述べた。(共同)