Tuesday, March 07, 2017 10:31 AM

防衛省の研究「問題多い」 軍事との決別を継承

 日本の科学者を代表する国の特別機関、日本学術会議は7日、検討委員会を開き、大学の科学者らが行う軍事応用も可能な基礎研究に助成する防衛省の公募制度について「政府の介入が著しく、問題が多い」などと指摘した新声明案をまとめた。過去の戦争協力への反省から「軍事研究をしない」ことを掲げた1950年と67年の声明は「継承する」とした。

 2015年度に始まり、予算額が年々増えている同制度に、科学者らが安易に応募しないよう歯止めをかけるのが狙い。参加の可否は、各大学が妥当性を審査するよう求めた。ただ、強制力がない上に、制度の廃止や応募の禁止までは求めていないため、効果は限定的との見方もある。

 新声明案は内部手続きを経て、4月の総会で採決される見通し。可決されれば50年ぶりの軍事研究に関する声明となる。記者会見した検討委の杉田敦委員長(法政大教授)は新声明案について「否定的メッセージが強い。相当強い批判を込めている」と述べた。(共同)