Wednesday, March 08, 2017 12:33 PM

極右政党の外交に従わず フランス大使、異例の寄稿

 4〜5月のフランス大統領選(2回投票制)で極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首が決選投票に進出するとの観測が強まる中、ティエリー・ダナ駐日フランス大使は9日付ルモンド紙に「FNの外交方針には従わない」との論説を寄稿した。地元メディアによると、現職の高位外交官による政治的な見解表明は異例。

 寄稿はルペン氏への書簡の形で、同氏が2月下旬の政治集会で「司法、官僚、ジャーナリストはおとなしく政治に従わなければならない」と演説したことに強く反発。「FNの外交に従うくらいなら、提供された外交ポストを辞することを選ぶ」とした。

 ルペン氏が「欧州連合(EU)からの離脱」「反移民」「保護主義」などを掲げて支持を集めていることについて、ダナ大使は「日々、外国の方々から大統領選でのFN勝利の可能性を質問される」と指摘。フランス外交の基盤は国連を通じて築いた国際協調と欧州の平和だと強調した。(共同)