Friday, March 10, 2017 6:23 PM
追加利上げの環境整う 14、15日にFOMC
米連邦準備制度理事会(FRB)は当面の金融政策運営を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を14,15の両日に首都ワシントンのFRB本部で開く。トランプ政権の発足後も米経済は堅調で、FRBが注視する雇用や物価のも底堅い状況が続いている。イエレン議長らFRBの政策当局者は「緩やかなペースでの利上げ」を志向しており、政策運営に当たってはトランプ政権の経済・財政政策の影響を見極めたい考えだが、このところの米経済の堅調さを背景に、景気過熱を防止する小幅な利上げが必要との判断に傾いている。市場では昨年12月以来3カ月ぶりの利上げに踏み切るとの見方が大勢で、FFレート先物の値動きから算出した3月の利上げ確率は90%を超えている。
昨年12月のFOMCでは、政策金利フェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を1年ぶりに0.25%引き上げ、0.50〜0.75%とした。FOMC参加者の大半は今年3回の利上げを想定している。昨年は中国経済の停滞や英国の欧州連合(EU)離脱決定などの海外要因で、当初想定したペースでの利上げはできなかったが、足元では「海外に起因する米経済への影響もなくなったとみられる」(ブレイナードFRB理事)との見方が多い。
大規模インフラ投資や大型減税への期待を背景にした株式市場の「トランプ相場」は2月に入っても衰えを見せておらず、FRB内では景況感が安定しているうちに利上げし、景気過熱による失速を防ぐべきだとの意見が増えている。背景には先行き景気が後退局面に入った場合の金利の下げ余地を少しでも確保しておくべきだとの考えもあるとみられる。(共同)