Wednesday, March 15, 2017 12:10 PM

春闘ベア2年連続前年割れ 主要企業、官製春闘に限界

 2017年春闘は15日、主要企業の集中回答日を迎えた。最大の焦点となったベースアップ(ベア)はトヨタ自動車が前年割れとなるなど、トランプ政権の動向への懸念から多くの大手企業が前年の妥結水準を2年連続で下回った。ベアは4年連続だが、政府が求めた「少なくとも前年並みの賃上げ」は実現せず、安倍政権主導の「官製春闘」に限界が見え始めている。

 一方、直近の業績を反映する一時金(ボーナス)はトヨタや日産自動車、ホンダが満額回答し、電機大手も高水準で妥結した。子育て・介護支援や働き方改革でも一定の前進がみられた。

 春闘相場をけん引する自動車や電機大手は円高で業績が圧迫されたのに加え、米政府が保護主義的な政策を具体化すれば、経営戦略の転換を迫られる可能性がある。経営側は先行きの不透明感が強いとして、恒常的な人件費の増加につながるベアに慎重だった。(共同)