Wednesday, March 15, 2017 12:11 PM

令状なしGPS捜査は違法 最高裁初判断、法整備促す

 捜査対象者の車に、衛星利用測位システム(GPS)端末を取り付ける警察の捜査手法について、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は15日、窃盗事件の上告審判決で「プライバシーを侵害し、強制捜査に当たる」との初判断を示し、裁判所の令状がなければ違法だと指摘した。

 その上で、現行法上の令状を取得することで捜査が可能かどうかについては「疑義がある」と否定し、GPS捜査の特性を踏まえた法整備を行い、特別な令状を発布する仕組みをつくるべきだとした。今後、法務省が立法作業に入る見通し。警察庁は15日、GPS捜査を控えるよう全国の警察に通達を出した。

 まず大法廷は、GPS捜査について「行動を継続的に幅広く把握し、プライバシーを侵害する」と指摘。端末設置などでプライベートな領域にも侵入し、憲法が保障する重要な利益を侵すため、令状が必要な強制捜査だと位置付けた。(共同)