Tuesday, July 12, 2016 5:47 PM

ヒトラー生家を強制収用 オーストリア、聖地化懸念

 オーストリア北部ブラウナウにあるナチス・ドイツの独裁者ヒトラー(1889〜1945年)の生家について、オーストリア政府は12日、家主から強制収用することを閣議で決めた。内務省は「ネオナチの聖地化」を防ぐために借り上げているが、家主との間で活用法が折り合わず、約5年間、空き家になっている。

 ソボトカ内相は収用後に生家を取り壊すべきだとするが、ケルン首相らは反対。左派の団体はスーパーなどへの改装を主張する。博物館など教育への活用を求める声も上がり、内務省は「さまざまな選択肢を検討する」としている。

 ヒトラーは税関職員の息子としてこの家に生まれ、数週間を過ごしたとみられる。その後、一家は引っ越し、ブラウナウには約3年間住んだ。(共同)