Tuesday, March 21, 2017 10:42 AM

日仏首脳、原子力協力推進 米英と4カ国で防衛演習

 安倍晋三首相はフランス・パリの大統領府で20日夜(日本時間21日未明)、オランド大統領と会談し、民生用原子力の研究開発で協力を進める方針で一致した。高速炉実用化に向けた協力加速を柱に据える。会談後の共同記者発表で首相は、防衛分野で海上自衛隊と仏米英の計4カ国が合同演習を初めて実施すると明かし「意義深い」と歓迎した。米領グアムなどアジア太平洋地域で行う。海洋進出を強める中国が念頭にあるとみられる。

 首相は21日午後(日本時間同日夜)、ベルギー・ブリュッセルにある欧州連合(EU)本部でトゥスクEU大統領、ユンケル欧州委員長と会談し、日EUの経済連携協定(EPA)交渉について早期の大枠合意を目指す方針を確認した。首相は「自由貿易の旗を掲げ続けることが重要だ」と述べた。ユンケル氏は会談に先立つ共同記者発表で、交渉の年内合意に自信を示した。

 日仏会談を巡っては、日本の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉決定を踏まえた原子力協定に関し、首相に同行している世耕弘成経済産業相がロワイヤル環境相と関連文書に署名した。高速炉に加え、核燃料サイクル政策での協力強化も明記した。両国はフランスが2030年代の運転開始を目指す実証炉「ASTRID(アストリッド)」の共同研究を進めている。(共同)