Wednesday, March 22, 2017 10:35 AM

保護主義台頭ないと楽観視 日銀の布野審議委員

 日銀の布野幸利審議委員は22日、静岡市内で記者会見し、トランプ政権の発足をきっかけに世界的に保護主義が台頭するとの懸念に対し「議論を尽くせば一方的に保護主義に徹底することはない」と楽観視した。

 トヨタ自動車の副社長だった布野氏は、これまでも自由貿易主義と保護主義という双方の考え方の間で議論がなされてきたと指摘。「今の世界経済ではヒト、モノ、カネが濃密に絡んでいる。大きな枠組みの次元が変わったとは見てない」との考えを示した。

 米国をはじめ海外の金利が上昇する中で、長期金利を0%程度に低く抑えている日銀の誘導目標を近く引き上げるのではないかという観測が市場の一部で出ている。これに対し布野氏は、日銀が目指す物価上昇率2%の達成が見通せないため「長期金利のレベル感を転換するという状況にはない」と否定した。(共同)