Wednesday, March 22, 2017 10:37 AM

退位後は「上皇」有力 政府、専門家見解受け

 天皇陛下の退位後の呼称を巡り、「上皇」とする案が政府内で有力となった。22日に再開した有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)の第10回会合で、意見聴取した3人の専門家が、上皇かその正式名称である「太上天皇」を推す見解を示したことや、歴史的経緯を考慮した対応。上皇を略称ではなく正式な呼称とする案も取り沙汰されており、有識者会議の議論を踏まえて最終判断する。複数の政府関係者が明らかにした。

 有識者会議は1月の論点整理公表以降、約2カ月ぶりで、4月下旬にも最終提言をまとめる方針だ。政府は再開を機に、呼称を含む退位後の制度設計について調整を本格化。皇位継承の第1順位となる秋篠宮さまの地位や処遇も検討した上で、提言を受けて一代限定の特例法を策定する。

 22日に意見陳述した専門家のうち、東京大史料編纂所の本郷恵子教授(日本中世史)は「太上」に「無上」の意味があると指摘し、上皇を正式呼称とする方がふさわしいと指摘。関東学院大の君塚直隆教授(英国政治外交史)、皇学館大の新田均教授(神道学)はそれぞれ、太上天皇(略称・上皇)が望ましいとした。(共同)