Tuesday, March 28, 2017 10:38 AM

カリスマ指導者正念場 和平、ロヒンギャ課題山積

 ミャンマーで民主化運動指導者だったアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が事実上トップの政権が誕生して30日で1年となる。国民の期待を一身に背負って登場したが、少数民族武装勢力との和平実現の見通しは立たず、イスラム教徒少数民族ロヒンギャ迫害問題で国際社会から批判を浴びる。課題は山積し“カリスマ”は政治指導者としての正念場を迎えている。

 経済は停滞気味で都市部を中心に国民の不満は高まり始めている。最大都市ヤンゴンで建設会社を経営するティン・アウンさん(42)は「この1年間で全てが悪くなっている。新政府は進むべき針路を示していない」と批判する。

 軍事政権下で長年鎖国状態にあったミャンマーは2011年に民政移管が実現、テイン・セイン政権下で経済発展や少数民族武装勢力との和平が進み始めた。一方、総選挙で圧勝し昨年発足した国民民主連盟(NLD)主体の現政権は、ティン・チョー大統領以下大半の幹部がスー・チー氏の忠実な支持者だが、行政手腕に欠けるとされる。(共同)