Wednesday, March 29, 2017 11:03 AM

ハードル高い「貿易立国」 FTA交渉、長期化も

 英国が欧州連合(EU)離脱交渉で最優先に取り組むのが、EUとの自由貿易協定(FTA)の締結だ。欧州単一市場からの脱退を表明しており、経済的な打撃を最小限に抑えるためだ。ただ厳しい交渉となるのは必至で長期化も予想される。「グローバルな貿易立国」(メイ首相)へのハードルは高い。

 「大惨事だ。4億ポンド(約550億円)、5億ポンド、6億ポンドもの悪影響が及ぶ」。日産自動車の欧州法人のコリン・ローサー上級副社長は2月末の英議会で、EUとのFTAがなく、世界貿易機関(WTO)ルールに基づく関税が適用された場合、車の輸出に10%の関税がかかると嘆いた。

 英国は車や金融、医薬品など重要産業は従来と同等に欧州単一市場へアクセスしたい考えだ。しかし「産業別のFTAは不可能」(英大学講師)で、関税や非関税障壁を一つ一つクリアしなければならない。米国やインドなど主要国と独自のFTAを結ぶ計画もある。(共同)