Monday, April 03, 2017 11:09 AM

駐韓大使、4日帰任 新政権と関係構築優先

 岸田文雄外相は3日、韓国・釜山の慰安婦少女像設置への対抗措置として一時帰国させた長嶺安政・駐韓大使を4日に帰任させると発表した。5月9日の韓国大統領選後に発足する新政権との関係構築を優先し、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けた連携を模索する必要があると判断した。韓国は釜山やソウルの少女像撤去へ具体的措置を講じておらず、日本政府はこの問題を事実上、棚上げした形だ。

 1月9日からの大使一時帰国の措置は、約3カ月ぶりに解除される。同じ日に帰国させた森本康敬・釜山総領事も4日に韓国に戻す。韓国政府内では両国関係の緊密化に期待する声が出た。

 政府は大統領選の各陣営との関係構築を急ぎ、少女像撤去に向けた働き掛けを強める構え。韓国新政権が慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」を申し合わせた2015年末の日韓合意を継承するかが焦点だ。北朝鮮に融和的な左派政権が誕生した場合、北朝鮮対応でどこまで連携できるかも課題となる。(共同)