Wednesday, April 05, 2017 10:30 AM

サリン使用疑惑で緊急会合 安保理、欧米が非難決議案

 国連安全保障理事会は5日、緊急会合を開催し、シリア北西部イドリブ県での空爆で多数が死亡した問題を協議する。猛毒のサリンが使われた可能性が高まっており、米英仏3カ国は化学兵器使用を強く非難する決議案を全理事国に配布、採決を目指す。

 医師や目撃者らによると、アサド政権軍に配備されたロシア製爆撃機スホイ22による空爆とみられ、負傷者らの症状がサリン被害と一致していると指摘。政権軍は関与を否定し、政権の後ろ盾の常任理事国ロシアは、これまでも欧米主導の決議案に拒否権行使を繰り返しており、動向が注目される。安保理として結束した対応を示せるかが焦点。

 空爆について、NBCテレビは4日、現地で医療支援活動を続ける非政府組織(NGO)の話として、死者は少なくとも83人、負傷者は350人に上ると伝えた。シリア内戦で最大級の化学兵器被害になる可能性がある。(共同)