Wednesday, April 05, 2017 5:46 PM

アサド政権「一線越えた」 トランプ大統領シリア方針修正か

 トランプ大統領は5日、シリア北西部イドリブ県で猛毒サリンが使われたとみられる空爆について、アサド政権軍は「多くの一線を越えた」と非難。「シリアとアサド大統領に対する私の考えは大きく変わった」と表明し、アサド氏退陣にこだわらないとする政策方針を修正する可能性を示唆した。

 ホワイトハウスでヨルダンのアブドラ国王との首脳会談後に行われた共同記者会見で述べた。空爆で子どもを含む多数の市民が死傷したことについて、トランプ氏は「アサド政権による数々の極悪な行動は黙認できない」と強く非難したが、具体的にどう対応するかは言及しなかった。

 過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を最優先課題とするトランプ政権は3月下旬、アサド氏の退陣は「もはや優先事項ではない」(ヘイリー国連大使)としてオバマ前政権からの政策転換を表明し、欧州などから懸念の声が上がっていた。優位な内戦の戦況に自信を深めたアサド政権が化学兵器の使用に及んだとの見方が強まる中、早々と路線修正を迫られたとみられる。(共同)