Friday, April 07, 2017 10:39 AM

蘇生中止のルール明確化 患者書面、医師指示を確認

 各地の消防本部や救急隊員、医師らでつくる「日本臨床救急医学会」は7日、終末期で心肺が停止した患者に対し、救急隊が蘇生措置を実施するかどうか判断する際の指針を公表した。本人が蘇生を望まない意思を事前に書面で残し、かかりつけ医らの指示が確認できた場合は、救急隊に蘇生中止を認める内容。救急現場の対応ルールを初めて指針で明確化した。

 背景には、終末期の高齢者らが蘇生を望まない意思表示をしていても、動転した家族や老人ホームの職員らが119番通報する例が相次いでいることがある。患者の「穏やかに逝きたい」といった希望を尊重するとともに、救命任務との間で葛藤する救急隊の悩みを和らげるのが狙い。

 救急現場の判断に一定の後ろ盾になりそうだが、指針に拘束力はなく、各地の消防本部などの運用に委ねられる。(共同)