Thursday, April 13, 2017 5:56 PM

原発の農地汚染回復で判決 福島地裁郡山支部

 東京電力福島第1原発事故で農地を汚染されたとして、福島県の5市町村の農家8人と農業法人1社が、土壌の放射性物質濃度を事故前の水準に戻すよう東電に求めた訴訟で、福島地裁郡山支部(上払大作裁判長)は14日、判決を言い渡す。

 原告側の弁護士によると、原発事故を巡り損害賠償ではなく、農地の原状回復を求めた訴訟の判決は全国初。

 原告側は、米や野菜を作っていた計約30ヘクタールの農地のセシウム137濃度が、事故で土壌1キログラム当たり1万6200〜1207ベクレルに上がり、農地としての使用が妨げられたとし「作物への吸収を抑えるカリウムの散布を強いられたほか、売り上げも減少した」と主張。土壌を入れ替えるなどして、濃度を事故前に県内で測定されたのと同程度の同50ベクレル未満にするよう求めた。(共同)