Thursday, April 20, 2017 1:05 PM

貸し出し抑え手数料重視へ 三井住友トラスト

 三井住友トラスト・ホールディングスの大久保哲夫社長(61)と中核子会社の三井住友信託銀行の橋本勝社長(60)は20日までに共同通信のインタビューに応じた。大きな利ざやが見込めない貸し出し業務は抑え、信託商品の販売などで手数料収入を重視する戦略に転換する方針を表明した。地方銀行との連携を深める考えも示した。

 橋本氏は、日銀の大規模な金融緩和策を背景にした低金利環境で「(貸し出しなどで)銀行の資産を拡大するビジネスモデルは限界に来ている」と指摘した。特に競争が激しい企業向け営業については貸し出し規模を追わず、融資先の社員に資産運用を提案するなど信託銀行の強みを生かす方向に切り替える。

 三井住友信託銀の店舗は都市部が中心で、地銀とは顧客層の重複が少ない。これまでも投資信託の販売などで横浜銀行や群馬銀行、京都銀行などと提携してきた。橋本氏は「提携する地銀経由で売る投信の残高を3年で2倍にしたい」と述べ、関係を強化する意向を表明した。地方の自治体や企業が持つ不動産の有効活用など、地銀の取引先が抱える課題解決でも協力する。(共同)