Friday, April 21, 2017 10:41 AM

日本連合で共同買収検討 WD、東芝半導体事業

 経営再建中の東芝が売却手続きを進めている半導体事業を巡り、ハードディスク大手ウエスタン・デジタル(WD)が産業革新機構や日本政策投資銀行との共同入札を検討していることが21日、分かった。中国や台湾などへの技術流出を懸念して「日本連合」を推す政府内の構想に対応する動きで、実現すれば有力候補となりそうだ。

 WDは三重県四日市市にある東芝の半導体工場に共同で投資している。契約に基づき他社への売却を拒否できるとし、東芝に独占交渉を要求していた。ただ3兆円近くを提示した台湾の鴻海精密工業など他の陣営に対抗するため、日本連合を選択肢として東芝との交渉を有利に進める狙いとみられる。

 革新機構の志賀俊之会長は18日の記者会見で、半導体新会社「東芝メモリ」(東京)への出資の可能性を検討していく考えを示した。政投銀内部には「日本連合の一角として、どこと組むか判断していく。WDであればスムーズだろう」(関係者)との声もあるという。(共同)