Friday, April 21, 2017 10:44 AM

陛下退位、「上皇」提言 象徴行為全て新天皇に

 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)は21日、首相官邸で開いた第14回会合で、一代限りの退位に向けた提言となる最終報告を了承し、安倍晋三首相に提出した。退位後の呼称(称号)を「上皇」とし、象徴としての行為を新天皇に全て譲るとする内容。皇位継承順1位の「皇嗣」となる秋篠宮さまは宮号を維持した上で「皇嗣殿下」などと呼ぶ案を例示した。皇族減少対策の必要性に言及したが、「女性宮家」創設など具体策には触れなかった。

 昨年8月の陛下のビデオメッセージを契機とし、10月の初会合以来、半年の検討を経て、約200年ぶりの退位へ大きく進んだ形だ。

 最終報告は、政府に特例法制定を求めた3月の国会見解を踏まえて、残る課題を議論したと説明。特例法による退位が前提の提言との位置付けで、退位の是非や一代限りとする理由は記述していない。(共同)