Wednesday, April 26, 2017 10:36 AM

法案名「天皇の退位」復活 対民進配慮、各党へ骨子

 政府は26日、天皇陛下の退位を実現する特例法案の名称を「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」とするなどの法案骨子をまとめた。衆参両院議長が各党派へ提示。政府、与党は法案名の「天皇」を「天皇陛下」と表記する方向だったが、将来の退位の先例になると明確にするため「天皇」としたい民進党の主張に配慮した。国会見解の表現が復活した形。政府は法案要綱の作成を急ぎ、5月の大型連休明けに各党派代表者による全体会合で示す予定だ。

 政府は5月19日にも閣議決定し、今国会で成立させたい意向。各党への提示に先立ち、衆参正副議長が協議し、骨子の内容を了承した。民進党は法案名について、両院議長が3月にまとめた国会見解に沿う内容にするよう要求し、「天皇陛下」ではなく、一般化の意味合いを持たせるため「天皇」とすべきだとの立場だった。

 公務など活動に対する陛下の「ご心労」としていた当初案の表現についても、国会見解重視の民進党に譲歩し「お気持ち」に変更。「国民は陛下のお気持ちを理解し、共感している」とした。今後、活動の継続が困難となることに「心労を抱かれている」との文言は「深く案じておられる」と差し替えた。(共同)