Wednesday, April 26, 2017 10:37 AM

米経済政策は現実路線に 国境税見送り、穏健派主導

 トランプ政権が、米国から製品を輸出する企業の法人税を軽くし、輸入企業の負担は重くする「国境税」の導入を見送る方針を固め、米国で輸入品を販売する日本メーカーへの打撃は回避されそうだ。経済政策での現実路線への転換は、ホワイトハウス内での権力闘争を有利に進める穏健派が主導しているようだ。

 共和党が提案した国境税は、米国の製造業の復活と雇用拡大が狙いだが、輸出企業に有利なため、世界貿易機関(WTO)が禁じる「輸出補助金」に該当する恐れがあった。実際、欧州連合(EU)などがWTOに提訴する構えを見せていた。

 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストを務めるオブストフェルド調査局長は、国境税が導入されれば、米国の輸出が増えることで、ドル高が加速すると予測。世界経済に「深刻な副作用を及ぼす恐れがある」と警鐘を鳴らしていた。(共同)