Monday, May 01, 2017 5:45 PM

43年ぶりに沖縄戦史 県教委「研究の集大成」

 沖縄県教育委員会は、太平洋戦争末期に壮絶な地上戦となった沖縄戦の実態を県史にまとめた。1974年以来43年ぶり。住民の証言や日米の史料を基に、旧日本軍による住民への加害行為のほか、生存者が今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)など心の傷を抱えていることにも触れた。

 障害者の体験や不発弾被害も記述。作成に当たった沖縄国際大の吉浜忍教授は、史料収集が進み「沖縄戦研究の集大成になった」と話している。

 県史は「各論編6 沖縄戦」で、研究者ら37人が執筆した。県史によると、集団自決や米軍の無差別爆撃で肉親の死を目の当たりにした多くの高齢者が雷や花火の大きな音におびえ、不眠やうつに苦しんでいる。(共同)