Wednesday, May 03, 2017 5:44 PM

FOMC、利上げ見送り 経済減速は「一時的」と判断

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、3日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げの見送りを決めた。政策金利のフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を0.75〜1.00%に据え置く。FOMC後に公表した声明では、経済成長の減速は「一時的」と指摘。緩やかな利上げなどで引き続き金融政策の正常化を目指す姿勢を維持した。

 トランプ政権の発足後100日が過ぎたが、景気刺激策として掲げる大型減税や巨額のインフラ投資などは、実現に向けた具体的な道筋が依然不透明なままで、実体経済に影響が及ぶのは来年以降との指摘もある。一方、フランス大統領選で親欧州連合(EU)のマクロン前経済相の優位が伝えられてフランスのEU離脱観測が後退するなど、海外発の短期的な金融リスクは低下している。FRBはトランプ政権の保護主義的な政策による世界経済への影響などにも留意しながら、追加利上げなど金融政策の正常化を進めていく方針とみられる。

 金融政策の正常化に向けた次のステップとなるFRBの保有資産規模縮小については「現状方針を維持する」とした。前回3月のFOMCでは参加者の大半が「今年中に資産規模の縮小を開始できる」との見方を示しており、数回の利上げ実施後には資産規模の縮小に着手するとみられる。(共同)