Thursday, May 04, 2017 9:50 AM

中国主導のAIIBと協調 ADB、インフラ投資推進

 67カ国・地域が加盟するアジア開発銀行(ADB)の年次総会が4日、横浜市で開幕した。記者会見した中尾武彦総裁は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に言及し「アジアでのインフラ投資の必要額はあまりに巨大で、協力していく必要がある」と指摘、ライバル関係を超え連携しながらインフラ整備を推進していく考えを表明した。

 総会は7日まで4日間開かれ、麻生太郎財務相や黒田東彦日銀総裁らが出席。日本での開催は2007年の京都市以来10年ぶりとなる。1966年の創設以来、日米が運営を支えてきた老舗の国際金融機関として、インフラ投資や金融協力などの議論をリードし、存在感の発揮を目指す。

 同じくアジアのインフラ資金を担う組織として15年に設立されたAIIBは加盟メンバーとして既に70カ国・地域を承認し、ADBを上回る勢いを見せている。中尾氏は会見で「単にメンバーの数を増やすことだけを考えるべきではない」と語り、AIIBとの協調をアピールすると同時に対抗心ものぞかせた。(共同)