Monday, May 08, 2017 10:11 AM

投資家に広がる安心感 企業業績の改善も評価

 日経平均株価が大幅上昇し、昨年以降到達していない2万円の大台が近づいてきた。フランス大統領選の決選投票で中道系候補が勝利し、投資家に安心感が広がった。上場企業の業績改善も評価され、相次ぐ好材料が平均株価を押し上げた。

 大統領選では反移民や反イスラムを主張する極右政党の候補が敗北した。HSBC証券の城田修司マクロ経済戦略部長は「昨年の欧州連合(EU)離脱を巡る英国民投票や米大統領選で見られた自国優先主義の流れが止まった」と強調する。9月に予定するドイツの国政選挙への警戒感も和らぎ、過激な主張を掲げる勢力の台頭が経済に及ぼす悪影響への懸念が後退しているという。

 主力銘柄の好決算を株高要因として指摘するのは大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長。2016年度の円相場は全体として、前年度より対ドルで円高の水準だった。だが企業の競争力向上に伴って「電子部品や半導体関連は円高にもかかわらず増益の銘柄が目立つ」といい、海外の機関投資家が注目していると解説する。(共同)