Tuesday, May 09, 2017 10:04 AM

アマゾン、衣料品販売2位に〜16年、百貨店をごぼう抜き

 オンライン小売り大手のアマゾンは、今やアパレル業界全体でも大手にのし上がった。

 USAトゥデイによると、金融大手モルガン・スタンレーの調査では、アマゾンの2016年国内アパレル売り上げは203億ドルに上り、業界シェアは7.4%とウォルマートに次ぐ2位に躍進した。アマゾンに抜かれたのは、ターゲットのほかメイシーズ、コールズ、JCペニー、シアーズといった百貨店で、いずれも業績が低迷しており、シアーズなどは経営破綻の危機にある。

 アマゾンは現在、大規模なアパレル販売促進計画を進めており、大量雇用、さまざまなプライベート・ブランドの導入、客が自分に似合うスタイルを見つけられる新しいアシスタント・ツール「エコ・ルック」の提供などを実施中。

 アマゾンのウェブサイトの求人ページを見ると、同社は17年4月末現在で約450人のファッション関連人員を募集しており、その多くは有料特典制度プライムの会員向けに提供している7つのアパレル系プライベート・ブランド(Goodthreads、Amazon Essentials、Paris Sunday、Mae、Ella Moon、Buttoned Down、Lark & Ro)に関連している。

 エコ・ルックは、アマゾンの人工知能(AI)「アレクサ」を使った音声認識装置で、ハンズフリー・カメラとスタイル・アシスタント機能が内蔵されている。「写真(動画)を撮って」と声に出して言うと、エコ・ルックが服を着ている自分をさまざまな角度から撮影し、画像や動画は友人と共有することもできる。また、機械学習のアルゴリズムとファッション専門家のアドバイスに基づく「スタイル・チェック」機能を使ってエコ・ルックに意見を聞くこともできる。

 価格は199.99ドルで、最初は誰かの紹介がなければ購入できない。プライム会員の多くが所有するまでにはしばらく時間がかかると見られるが、アマゾンがいかにテクノロジーを使ってファッション・ビジネスを拡張しようとしているかがよく分かる。