Tuesday, May 09, 2017 10:10 AM

首相、改憲は9条優先 集団的自衛権の制約不変

 安倍晋三首相は9日の参院予算委員会で、憲法改正論議を巡り、憲法9条に自衛隊を明記する改憲案の検討を優先させる意向を表明した。「まずやらねばならないのは自衛隊についてだ」と述べた。9条改憲案が実現した場合でも、自衛隊への憲法上の制約は残り、集団的自衛権行使は限定的な範囲にとどまるとの認識も示した。自民党として改憲項目を衆参の憲法審査会に提出する決意も強調。民進党に具体的な改憲案の提示を迫った。

 民進党の蓮舫代表は、首相が改憲論議を主導することに強く反発した。野党第1党との改憲項目の歩み寄りはさらに困難となった。共産党も9条改正案に反論。日本維新の会は是非を検討する方針を示した。

 首相は「(自衛隊の存在は)憲法学者の7、8割が違憲としている。そういう状況を変えていくのは私たちの世代の責任だ」と指摘。改憲項目の絞り込みに関し、首相は「自民党内の議論を加速して憲法審への提案を、いかに苦しくてもまとめ上げる決意だ」とした。同時に「憲法審でそれぞれの党が案を出し合って議論すべきだ」と訴えた。(共同)