Friday, May 12, 2017 10:59 AM

対日通商の陣容そろう 米、農産物や車で圧力も

 米議会上院が11日に米通商代表部(USTR)代表にライトハイザー氏を充てる人事を承認し、トランプ政権の対日通商の陣容がそろった。対日貿易赤字の削減を訴えるロス商務長官らとともに農産物や自動車を中心に市場開放を迫る方針。圧力が強まるのは必至で、日本政府は難しい通商交渉を迫られそうだ。

 トランプ政権は日本に対し、2国間の自由貿易協定(FTA)交渉を求めてくるとみられる。日本側は4月に始まった日米経済対話の場などを通じ、2国間ではなく多国間の枠組みを優先する立場を説明していく。

 ライトハイザー氏は承認に向けた3月の上院公聴会で、農業分野の通商交渉に関し「日本は第一の標的になる」として市場開放を求める姿勢を強調していた。米有力企業でつくる米日経済協議会の元幹部は「日本はイチゴや牛肉など高級志向で国際競争力を持てる」と指摘するが、安価な米国の農産物は日本の農畜産業者に脅威となりかねない。(共同)