Monday, May 15, 2017 10:32 AM

東芝半導体の売却中止請求 WD、上場廃止も

 経営再建中の東芝の半導体事業売却手続きを巡り、共同投資するウエスタン・デジタル(WD)は米現地時間の14日、売却が契約違反に当たるとして、中止を求める仲裁の申立書を、国際商業会議所(本部パリ)の国際仲裁裁判所に提出したと発表した。手続きが遅れて、負債が資産を上回る債務超過を解消できなければ、東芝は上場廃止となる。

 東芝は15日、2017年3月期連結決算の純損益が過去最悪の9500億円の赤字になる見通しを発表した。米原発子会社の破綻処理が主因で、17年3月末で5400億円の債務超過となる見込み。監査法人の承認を得ていない暫定値の公表は異例だ。

 WDは東芝の半導体工場(三重県四日市市)に投資している。東芝が一部事業を子会社の「東芝メモリ」(東京)に分離して売却するのは「合弁事業契約の譲渡禁止条項に明確に違反している」と主張。法的措置に踏み切って対決姿勢を鮮明にした。(共同)