Friday, May 19, 2017 10:22 AM

「改革の陣痛期」と蔡総統 中国には柔軟対応呼び掛け

 台湾の蔡英文総統は19日、就任1年に合わせた演説で経済構造や年金制度などの改革に着手した1年を「陣痛期」と総括し、2年目は「実行」の年になると表明した。中台関係については、中台は不可分の領土とする「一つの中国」原則を台湾人が拒否している民意を踏まえて、中国側が柔軟な対応で関係発展を進めるよう呼び掛けた。海外の中国語メディアとの会見の場で演説した。

 民主進歩党(民進党)は昨年5月、8年ぶりに国民党から政権を奪還したが、目に見える成果が少ないと不満が広がり、蔡氏への支持率は低迷している。蔡氏は「(不満を)謙虚に受け止める」とした上で、1年目で積年の「最も難しい改革」に取り組んだため、時間がかかると釈明した。

 蔡氏は、不当な待遇を受けてきた台湾の先住民に政府が謝罪したことや、国民党の一党独裁政権時代に政党が不正に得た資産の清算に着手したことも成果として挙げた。(共同)