Friday, May 19, 2017 10:24 AM

退位法案を国会提出 陛下一代限りの特例

 政府は19日の閣議で「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」を決定し、衆院に提出した。皇位継承を定めた皇室典範の特例として、陛下の退位と皇太子さまの即位を実現する旨を明記。対象を陛下一代に限る一方、将来の先例となる形だ。陛下が退位の意向をにじませた昨年8月のビデオメッセージを契機とした政府、与野党の検討を経て、法案審議が来週後半以降に始まる見込みだ。6月上旬にも成立する見通し。退位と即位は来年12月を想定し、成立後に準備を本格化させる。

 国会審議では「女性宮家」創設を巡る付帯決議の取り扱いが焦点だ。

 法案は1条で、法整備の趣旨として、象徴としての活動継続が困難となる状況を陛下が「案じておられ」、国民がそのお気持ちを「理解し、共感している」事情を説明している。歴史的に略称として使われた「上皇」を退位後の正式な呼称(称号)とし、皇后さまは「上皇后」。敬称はいずれも陛下で、上皇は天皇と同様、葬儀を「大喪の礼」とし、墓を「陵」とすることも盛り込んだ。(共同)