Friday, May 19, 2017 10:24 AM

加計学園文書、確認できず 文科省、個人PCは未調査

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画に関する記録文書について、松野博一文部科学相は19日、「省内調査で文書の存在は確認できなかった」と発表した。担当職員への聞き取りや、担当部局が資料を共有する電子フォルダなどの調査で結論付けたとした。しかし担当職員個人のパソコンは調べておらず、文書を入手し、存在確認や公表を求めていた民進党の山井和則国対委員長は「納得できる調査結果ではない」と記者団に述べた。

 松野氏や文科省の説明によると、聞き取りの対象は高等教育局長や大臣官房審議官、専門教育課長ら7人で、文書を作成したり、他の職員と共有したりしていないか確認した。7人とも文書に記載されていた「総理の意向」といった文言を内閣府から言われた記憶はないなどと答え、担当部局の職員が資料を共有する電子ファイルやフォルダからも文書は見つからなかったという。松野氏は「文科省の行政文書としては存在していない。個人の文書としても確認されなかった」と述べた。

 ただ、調査を担当した文科省の義本博司総括審議官は、職員個人のパソコンにあるファイルは「確認していない。確認する必要はない」と説明。「文書を文科省が作成したかどうかを確認することが調査の目的だ」と理由を述べた。(共同)