Wednesday, May 24, 2017 10:36 AM

難民渡る「欧州の玄関口」 サミット直前、惨状訴え

 先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)開催を目前に控えたイタリア南部シチリア島。人気リゾートとして知られるが、中東やアフリカから難民や移民が押し寄せる「欧州の玄関口」でもある。サミットには移民受け入れに否定的なトランプ大統領も出席。世界が注目する会議開催を機に、移民の支援者は「悲惨な現状に目を向けて」と訴えている。

 5月上旬の午前8時すぎ、島東部カターニアの港に、地中海で救助された移民ら約400人を乗せた船が接岸した。NPOのスタッフに抱きかかえられた赤ん坊や、スカーフ姿の女性らが疲れ切った様子で下りてくる。リビア沖を出発し、ボートで漂流。願いかなわず、遺体となって運ばれてきた者もいる。

 「移民らは息もできない状態で奴隷船のような船に押し込まれてくる。状況は悪くなるばかりだ」。こう説明するのは、2014年に救助活動を始めたNPO「MOAS」創設者のレジーナ・カタンブローネさん。(共同)