Wednesday, May 24, 2017 5:43 PM
追加利上げ「近く妥当に」 FOMC議事録
米連邦準備制度理事会(FRB)は24日、今月2、3日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表した。今後の経済指標が想定に沿うものであれば「緩和政策を取り除くさらなるステップに進むことが近く妥当になる」との認識を示した参加者がほとんどだった。市場は6月の次回FOMCでの利上げ可能性が高いとみており、参加者もほぼ同様の判断を示していることが明らかになった。
連邦捜査局(FBI)長官解任やロシアとの癒着疑惑など、トランプ政権の先行きに不安が広がる中、大統領が掲げる景気刺激策も実行が遅れるとの観測が広がっている。FOMC参加者の多くが「依然として不確実性が残る」と認識する中で、当面、経済指標をにらみながら緩やかに金融政策を平時の状態に戻していくとみられる。
危機対応でFRBが購入してきた米国債などの資産の規模縮小についても引き続き協議。どの程度縮小するかを周知した上で縮小を開始し、いったん始めれば基本的に縮小ペースの調整は不要との見方が示された。最近では複数の連邦準備銀行総裁が「自動的な縮小」に言及しており、想定外の状況とならない限り、一定のペースで縮小が進む可能性がある。今回のFOMCで、FRB執行部の事務方スタッフは、保有債券の償還額に上限を設け、それを超えた部分については再投資する案を提示。最初は低く定めた上限を3カ月ごとに引き上げていけば再投資額が少しずつ減り、保有資産の規模の段階的な圧縮が可能になるとの説明があり、FOMC参加者のおおむねの賛同を得た。(共同)