Thursday, May 25, 2017 5:42 PM

紛争地20カ国で病院攻撃 国連安保理が会合

 国連安全保障理事会は25日、紛争地での医療従事者の保護に関する公開会合を開催した。グテレス国連事務総長は昨年1年間内にシリアや南スーダンなど少なくとも20カ国で病院や医師らが攻撃されたと指摘。各国代表からは攻撃を非難し、関与した人物の責任追及を求める意見が相次いだ。

 国連によると、シリアでは内戦の開始以来、医療施設への攻撃が400回以上発生し、少なくとも医師ら800人が死亡。南スーダンでは医療施設に対する攻撃が数年間続いており、紛争地域の施設の半数以上で医療ができなくなっている。

 安保理は昨年5月、紛争地での医療従事者の安全を確保するよう全ての紛争当事者に強く要求する決議を採択したが、グテレス氏はこの1年間で状況がほとんど改善していないと指摘。「紛争の当事者は病院を避難所として配慮せず、標的としている」と強い懸念を表明した。(共同)