Friday, May 26, 2017 10:58 AM

ソニーが赤字体質脱却 ヒット生めるか正念場

 ソニーが赤字体質から脱却した。2017年3月期の連結純損益はゲーム事業の好調などで、久しぶりに2年連続の黒字となった。18年3月期も懸案だった半導体事業の回復で、黒字を確保する見込みだ。ただ、近年は携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」のような画期的なヒット製品から遠ざかっており、完全復活に向けて新しい製品や技術を生み出せるか正念場を迎えている。

 ソニーは09年3月期以降、2年以上の黒字とは縁がなかった。16年3月期に3年ぶりの黒字に転換するまで、人員削減やパソコン「VAIO(バイオ)」の売却、ウォークマンなど主要事業の分社化といった構造改革を重ねた。

 17年3月期は熊本地震で半導体工場が被災し、映画事業で1千億円超の減損を計上するなどマイナス要因が多かったが、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」の販売好調などに支えられた。昨年発売した仮想現実(VR)を楽しめる端末「PSVR」も好評で、次世代パネルの有機ELを使った薄型テレビに再参入するなど攻勢を強めている。(共同)