Friday, June 02, 2017 11:03 AM

子育て財源、保険も選択肢 幼児教育、早期に無償化

 政府は2日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針「骨太方針」案を提示した。幼児教育と保育の早期無償化、待機児童解消を優先課題に据え、新保険導入などを選択肢に財源を検討、年内に結論を出す。財政健全化では、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化する目標を維持した上で、同時に国内総生産(GDP)に対する債務残高比率を安定的に引き下げる目標を併記し、経済成長を重視する安倍政権の姿勢を示した。9日に閣議決定する。

 幼児教育無償化などの財源候補には、歳出の効率化、税制、社会保険の三つを挙げた。企業や働く人から保険料を集めて子育て世帯に分配する仕組みとして自民党が提唱している「こども保険」が議論の土台となる。国の借金拡大を避けられるため財務省が理解を示しているが、産業界や働く人の納得を得られるかが課題。政府は夏以降、人材投資の具体策を練る新会議を発足させ、財源議論を本格化させる。

 基礎的財政収支は巨額赤字が続き、20年度の黒字化は困難となっている。政権内には、毎年度の歳出にたがをはめる黒字化目標よりも、高成長と低金利の組み合わせで指標が改善する債務残高目標に軸足を移すべきだという声も存在する。今後、歳出拡大を求めて黒字化目標の撤廃や先送りの議論に発展する可能性がある。(共同)