Monday, June 05, 2017 11:12 AM

東芝半導体の子会社化断念 WD譲歩、出資2割未満

 東芝が売却手続きを進める半導体子会社を巡り、ウエスタン・デジタル(WD)が産業革新機構、日本政策投資銀行と「日米連合」を組み、2兆円弱で買収する新たな提案をしたことが5日分かった。WDは買収のため設立する特別目的会社(SPC)を通じた出資割合を19.9%にとどめ、将来に子会社化する要求も見送るなど大幅譲歩した。関係国の独占禁止法の審査を迅速に進めてもらう狙いがある。

 東芝は他陣営の提案も踏まえ、経済産業省などと調整して受け入れを最終判断する。WDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は週内に来日し、東芝の綱川智社長とトップ会談に臨む考え。債務超過解消を急ぐ東芝は、28日の株主総会までに売却先を決めると表明しており、交渉はヤマ場を迎える。

 WDは、東芝の半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の経営権取得を要求する一方、第三者への売却に反対して国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てるなど東芝と対立してきたが、これ以上の関係悪化は半導体工場(三重県四日市市)の共同運営にマイナスと判断したとみられる。合意できれば申し立てを取り下げる見通しだ。(共同)