Monday, June 05, 2017 11:13 AM

築地活用にじむ報告書 市場PT、豊洲も併記

 豊洲市場の移転問題を検証する東京都の市場問題プロジェクトチーム(PT)は5日、都庁で会合を開き、築地市場を再整備する案と豊洲移転案の両論を併記した報告書をとりまとめた。豊洲移転の問題点を強調し、築地と豊洲を両方活用する案も提示するなど、築地市場を残すべきだとの見解を強くにじませる内容となった。

 小池百合子知事はPTや、豊洲の土壌汚染対策を検証する専門家会議の報告書などを踏まえて移転可否を総合的に判断する方針。判断に向け、一歩前進したことになる。小池知事は「大変な力作で、多方面から分析されている」と評価した。

 報告書は築地について、仲卸業者が商品の質を見分ける「目利き」の魅力や、銀座に近い好立地など「ブランドの経済的価値が高い」と指摘した。両市場とも残す将来的な構想として、築地を新市場に再整備して「食のテーマパーク」と位置付け、豊洲はITで商品管理して保管する「物流センター」として利用すると提案した。(共同)