Monday, June 05, 2017 11:13 AM

日欧、投資紛争処理先送り EPA大枠合意へ議論回避

 日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)交渉で、投資を巡る企業と進出先国との紛争を処理する手続きの妥結を「大枠合意」後に先送りする方向で一致したことが5日、分かった。日本とEUは7月上旬の定期首脳協議でEPA大枠合意を目指している。そのため、折り合いの難しいテーマの一つである紛争処理の議論を避け、全体交渉を進める。

 日欧EPAは、EUが日本に対して乳製品など農産物や豚肉、牛肉、木材、ワインの市場開放を求める一方、日本はEUの自動車関税の早期撤廃を要求。6月中旬に東京で開く首席交渉官会合では、物品関税や政府調達といった主要分野の交渉に集中する。

 企業の海外投資では、進出先国の急な制度変更で現地工場が打撃を受けるなど損害を被るケースがある。EPA交渉では企業がその国を相手に不服を訴えるといった紛争処理の手続きが議題に上り、世界銀行傘下の投資紛争解決国際センターの仲裁制度を使って解決するのが一般的だ。日本とシンガポールやメキシコのEPAのほか、環太平洋連携協定(TPP)にも盛り込まれている。(共同)