Tuesday, June 06, 2017 11:04 AM

米宇宙服、残り11着 40年前製使い船外活動

 国際宇宙ステーションの船外活動で飛行士の着用する宇宙服が老朽化し、近い将来足りなくなる恐れがあるとの報告書を米航空宇宙局(NASA)の監察官室がまとめたことが5日分かった。新型宇宙服の技術開発が滞っているのが理由。

 NASAの宇宙服は、約40年前に作られた18着のうち11着が使い続けられている。7着は事故で失われたり破損したりした。残った11着も設計寿命の15年を大幅に超え、老朽化が激しい。船外活動中にヘルメット内部に水がたまり、飛行士が窒息の危険を感じて急きょステーションに戻る例も相次いだ。

 報告書は、NASAが火星探査計画を含めた三つのプロジェクトで別々に新型宇宙服の開発を進め、過去8年間で2億ドル(約220億円)を投じたが、実用化にほど遠いと批判。「ステーションの運用が終わる2024年まで、全ての船外活動を賄うのは難しい」として、宇宙服開発の新プロジェクトを立ち上げるよう勧告した。(共同)