Tuesday, June 06, 2017 11:06 AM

加計文書「共有していた」 文科省の複数職員証言

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画に関し、「総理の意向」などと記載された文書の存在を6日、文部科学省の複数の現役職員が認めた。共同通信の取材に「省内で共有していた」などと証言した。前川喜平前事務次官も取材に存在を明言したが、政府や文科省は「調査で存在を確認できなかった」との姿勢を崩さず、再調査も拒否している。現役職員が証言したことで、野党側は攻勢を強めるとみられる。

 学園は政府の国家戦略特区制度を活用した学部新設を計画。文書は民進党などが5月に入手したもので、昨年11月に特区の諮問会議で安倍首相が獣医学部新設方針を表明する前に、特区担当の内閣府とのやりとりを文科省が記録したものとされる。学園の選定が前提ともうかがえる内容が含まれ、内閣府側の発言として「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向だ」と記されていた。

 取材に対し、文科省職員の一人は「文書は獣医学部担当の高等教育局専門教育課が、上司への説明用に作成した」と説明。「幹部を含む一部の関係者で共有していた」と話した。(共同)