Wednesday, June 07, 2017 11:10 AM

日印原子力協定を国会承認 NPT未加盟国に原発輸出

 インドへの原発輸出を可能にする日印原子力協定が7日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、承認された。両国による公文書の交換手続きを経て、早ければ7月初旬にも発効する見通し。核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドに、核物質や原子力関連技術の移転ができるようになる。唯一の戦争被爆国として、インドが核実験をしないようにする歯止め措置の実効性確保が重い課題だ。

 安倍政権は原発輸出を成長戦略の柱の一つに据えているが、国内の原発メーカーや電力会社に海外展開する余力はなくなりつつある。東芝は米国の原発子会社の経営破綻で経営危機に直面し、原発輸出に伴うリスクの大きさが浮き彫りになったほか、電力会社も東京電力福島第1原発事故後は既存原発の再稼働に注力せざるを得ない状況だ。

 協定は、原子力分野での協力を平和目的に限定。インドによる核爆発装置開発への使用を禁じるほか、国際原子力機関(IAEA)が移転された核物質や技術を査察すると規定した。移転されたウランを軍事転用の恐れが生じる20%以上に濃縮する場合、供給側政府の同意が必要となる。(共同)