Thursday, June 08, 2017 10:52 AM

9条改正、駆け引き激化 自民、憲法審で論議要請

 自民党は8日の衆院憲法審査会で、憲法9条改正を巡って議論するよう各党に要請した。9条への自衛隊明記などを例示して2020年の改正憲法施行を目指すとした安倍晋三首相(党総裁)の提案を踏まえた判断。同党は来年にも党改憲案を衆参両院の憲法審査会に示したい考えで、地ならしを進める狙いもあるとみられる。民進党など4野党は党首会談で、安倍政権下での「9条改悪」に反対する方針を確認し、与野党の駆け引きが激化した。

 与党筆頭幹事を務める自民党の中谷元・前防衛相は8日の衆院憲法審査会で、9条に関し「改正に賛成、反対の立場でしっかり議論しないといけない」と述べ、テーマとして正式に取り上げるよう呼び掛けた。上川陽子元法相も、改憲項目の絞り込みを念頭に「具体的で現実的な案を審査会で提起できるようお願いしたい」と強調した。

 18日の国会会期末を前に、9条改正論議を要請した背景について、党幹部は「今国会で審査会の議論に一区切りを付け、改憲項目の絞り込みに向けた次のステージに移るためだ」と説明した。(共同)