Friday, June 09, 2017 12:32 PM

「加計文書」を再調査 世論反発受け、文科相表明

 松野博一文部科学相は9日、政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、「総理の意向」などと記載された文書の存否を再調査すると表明した。安倍晋三首相も「徹底的に調査するよう指示した」と述べた。前回調査で「存在を確認できなかった」として以降、再調査を拒否してきたが、世論の反発で方針転換した。前回対象としなかった文科省職員への聞き取りや個人所有パソコンの調査を視野に入れるが、信頼性の担保が課題だ。

 松野氏は閣議後記者会見で「調査の必要があると国民の声が多く寄せられた。真摯に向き合い、追加調査をする」と説明。ただ、計画を巡る手続きについて「文科省の行政判断がゆがめられたことはない」と強調した。

 山本幸三地方創生担当相は、特区制度を担当する内閣府では再調査しない意向を示し、萩生田光一官房副長官は「実在したとしても、書かれたことが正しいかどうかは次の話だ」とけん制。再調査で文書の存在が確認されても、手続きに問題はないとする政府の姿勢が変わる可能性は低いとみられ、菅義偉官房長官も政権への影響は「ないと思う」と述べた。(共同)