Monday, June 12, 2017 11:14 AM

富士ゼロックス会長ら退任 利益水増し、隠蔽で引責

 富士フイルムホールディングス(HD)は12日、海外子会社で利益を水増しする不正会計が発覚した富士ゼロックスの山本忠人会長ら幹部5人が責任を取って退任する人事を発表した。同時に公表した第三者委員会の調査報告書は、売り上げ至上主義の社風で業績達成への強いプレッシャーがあったと指摘。副社長ら経営幹部による不正会計の隠蔽指示も認定した。

 純利益の水増し額はこれまで公表していた220億円から、過去6年間で計375億円に拡大。事業への影響を考慮して報酬カットにとどめた社長を除き、副社長や専務執行役員らも一斉に退任して経営執行体制を刷新する。親会社である富士フイルムHDの古森重隆会長と助野健児社長も月額報酬の10%を3カ月間返上する。

 東京都内で記者会見した助野社長は、不正会計や決算発表の遅れを謝罪した上で「売り上げ目標はあるが、過度のプレッシャーはない。不適切なことをしてまで達成するものではない」と釈明した。(共同)