Tuesday, June 13, 2017 10:47 AM

石綿被害で電話相談 吸引、23万人と試算

 発がん性のあるアスベスト(石綿)が使われた公営住宅が全国で2万2000戸を超えることが、民間団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の調査で分かり、同会は13日、石綿が使われた建物や被害状況を把握するため、無料の電話相談窓口を設置した。同会は石綿が使われた住宅に長年住んでいて中皮腫を発症した1例を確認。電話相談を通じて、ほかにも同様の被害がないか実態調査を進める。

 協力した東京工業大の村山武彦教授は、対策までの期間や家族構成などから約23万人が石綿を吸い込んだ可能性があると試算。これまで石綿工場などの労働者や工場の周辺住民が主だった被害が、公営住宅の住人に広がる可能性が出てきた。

 村山教授は「必ず健康被害が起きるわけではないが、対策前の住居に住んでいた方は当時の生活状況を確認してほしい。国や自治体は情報提供や相談体制の構築が必要だ」と呼び掛けている。(共同)