Friday, June 16, 2017 10:04 AM

無人ジェット機の技術試験へ〜ボーイング、人工知能導入し

 航空機器メーカー最大手ボーイングは、パイロットなしでジェット機が飛ぶ時代を見据え、2018年に関連技術の試験を行う。

 ロイターによると、マイク・シネット副社長(商品開発担当)は6月下旬に開かれるパリ航空ショーを前に、今は無人飛行のドローンが1000ドル未満で購入できることに触れながら「自動飛行ジェット機のための基本技術は明らかにすでに存在する」と語った。

 ジェット機は現在、機内のフライト・コンピュータを使って離陸、巡航、着陸できるようになっており、一般的な旅客機の操縦士の数はかつての3人から2人に減った。自身もパイロット資格を持つシネット氏は、17年夏に操縦席シミュレーターで関連技術の試験を行う計画だと述べ、「来年はパイロットの代わりに人工知能(AI)が判断を下す飛行機に乗ってみる」と話した。

 ただし、自動飛行機は航空安全基準を満たす必要があり、こうした飛行機を承認する規制当局を納得させなければならない。シネット氏は「それがどんな形になるかまだ想像がつかないが、当社は今研究中で、そのアルゴリズムを開発している」と語った。

 世界の航空サービス需要は拡大が続いており、向こう20年間に150万人のパイロットが必要になると予想される中、航空業界は無人ジェット機の構想を前向きに捉えている。

 ボーイングはまた、ベストセラーのナローボディ(単通路)機「737型」と大型の「787型ドリームライナー」の中間に当たる新機種を開発中で、25年ごろの納入を目指している。民間航空機部門のケビン・マカリスターCEOは別の会見で、同社は約60の顧客と詳細に話した結果、現在のワイドボディ(複数通路)機はほとんどのナローボディ機路線には大きすぎるとの結論に達したと前置きしながら「(欧州同業のエアバスのような)ワイドボディ機で対応できるかもしれないが、より効率的に対応できるかどうかが問題」と話した。