Friday, June 16, 2017 10:48 AM

性犯罪厳罰化法が成立 「親告罪」削除、7月施行

 性犯罪を厳罰化する改正刑法は16日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。強姦罪の法定刑引き上げや、起訴するのに被害者の告訴が必要となる「親告罪」規定の削除が柱だ。性犯罪に関する刑法の大幅改正は、明治時代の制定以来約110年ぶり。被害者らが実態に即した法改正を求めていた。7月13日に施行される見通し。

 与党は慣例に反し、改正刑法より2週間遅く国会に提出された「共謀罪」法を先に審議入りさせたため、改正刑法が衆院本会議で審議入りしたのは今月2日だった。参考人質疑は参院法務委員会でしか実施されず、審議時間は計12時間40分。18日の会期末をにらみ駆け足での成立となった。

 改正法は強姦罪の名称を「強制性交等罪」に変更。女性に限定されていた被害者に男性を含め、性交類似行為も対象とする。法定刑の下限を懲役3年から5年に引き上げる。親告罪の規定をなくすのは強姦罪や強制わいせつ罪などで、施行前に起きた事件にも原則適用する。(共同)